ダイヤモンドの蛍光性について
純粋な無色のダイヤモンドには、化合物は一切含まれておりませんが、そのようなダイヤモンドが発見されたことは未だかつてありません。発見されたダイヤモンドは、何百万年もの時間をかけて、様々な化合物を吸収し作られた宝石です。その組成に含まれるさまざまな要素こそが、ダイヤモンドの種類を定義しています。そして、その過程で窒素、ホウ素、アルミニウムなどの物質が混じり合って結晶となることがあり、それらが紫外線に反応することで蛍光が起こります。
かなり鮮やかな緑色蛍光 鮮やかな白色蛍光
蛍光とは、これらの元素が含まれていることで、素晴らしい輝きを引き起こすのです。宝石の構成にもよりますが、ファンシーカラーダイヤモンドの場合、ブルー、イエロー、ホワイト、オレンジ、グリーン、ピンクなど、様々な色調や色彩で現れます。無色のダイヤモンドの場合は、一般的に黄色や青色の色合いで現れます。
ダイヤモンドの蛍光は様々なレベルで発光するため、GIA(米国宝石学会)は以下の基準で蛍光性の強度を表しています。
– None(無し)
– Faint(弱)
– Medium(中)
– Strong(鮮やか)
– Very Strong(かなり鮮やか)
ダイヤモンドの蛍光を観察するのに紫外線ランプがない場合は、通常のブラックライトで試してみてください。
左から:淡い青色、中くらいの青色、鮮やかな青色、かなり鮮やかな青色
はじまりは?
ダイヤモンドは数百万年前、地中深くで誕生しました。この宝石は、長い時間をかけて形成される間に、様々な鉱物の微量元素を吸収してきました。この吸収された元素がファンシーカラーダイヤモンドや蛍光性を持ったダイヤモンドを生み出したのです。
現在流通している宝石のうち、実際に蛍光性を持っているのは約35%で、そのうち紫外線で見た時に変化が出るほどの蛍光性を持っているのは約10%です。紫外線の下でないと、ダイヤモンドの蛍光は素人の目では識別できません。非常に強い蛍光であっても、日光の下では極めて淡く見えます。
宝石の色や輝きの色によって、時には、宝石の色に変化をもたらす場合があります。例えばファンシーカラーダイヤモンドの「ファンシーインテンス」または「ファンシービビッドグリーンイエロー」の石で「かなり鮮やかな緑色」の蛍光性を持ったものを、特定の照明の下で観察した場合、石の種類である主要のイエローよりも希少な色であるグリーンが強く輝きます。
ファンシーカラーダイヤモンドと蛍光性
蛍光性を持ったイエローダイヤモンドはよくありますが、実際の蛍光はかすかなものが多いです。イエローダイヤモンドを購入する際は、必ずそのダイヤモンドの蛍光性を確かめてください。淡い蛍光性を持っているものもあれば、わずかに茶色がかった色合いのあるもの、あるいは乳白色のあるものがあります。
ピンクカラーのダイヤモンドは、ほとんどが蛍光性を持ったものです。特にアーガイルピンクダイヤモンドでは蛍光性がよく見られます。
純粋なブルーダイヤモンドは蛍光性がありません。蛍光が見つかった場合は、ほとんどの場合で、ダイヤモンドが緑がかった色調とわずかに結合しており、蛍光は目立ちません。
赤い蛍光性を持ったダイヤモンドは非常に稀であり、この様な稀な蛍光色は、コレクターズアイテムとして扱われることがあります。どの様な蛍光性も、実際に目の当たりにすると息をのむような感動があります。
何よりも最も重要なのは、お客様が購入したダイヤモンドに満足することです。ご購入の前に様々な角度や照明下でご希望のダイヤモンドを確認し、ダイヤモンド証明書に記載されている情報に目を通してください。
以下の写真はダイヤモンドの蛍光性を現わしたものです。是非ご参考ください。
左から:
①ファンシー・ディープ・ブラウニッシュ・イエロー
②ファンシー・ビビッド・イエローオレンジ
③ファンシー・ビビッド・イエローオレンジ
④ファンシー・ディープ・グレイッシュ・イエローイッシュ・グリーン/カメレオン
⑤ファンシー・ダーク・グレイ・イエローイッシュ・グリーン/カメレオン
⑥ファンシー・インテンス・イエロー
⑦ファンシーピンク
⑧ファンシー・グリーンイッシュ・イエロー
⑨ファンシー・インテンス・グリーン・イエロー
⑩ファンシー・インテンス・グリーン・イエロー